歯医者, 歯も診るが, 数字も見る…

世間一般の人からすると、歯医者は口の中の歯ばかり診てるんじゃないの?

と思われているかもしれない。

確かに日々、沢山の歯を診ているが、医院を経営していると、そうも言ってられない。

診療以外の時間で、経営の数字と向き合う事が多い。

 

日本には、世界に誇る国民皆保険がある。

僕も病気になった時は恩恵を受けている。

また、歯科にももちろん使える。

 

時々話題になりご存知の方もいるかもしれないが、諸外国と比べると日本の歯科治療費は安い。

今年の8月に上海の歯科医院を見学させて頂いた。

その時に色々話を聞いていると、日本の保険診療の治療費の何倍もの治療費だ。

 

皆保険では治療に対する金額が決められている。

という事は、良い設備、良い機材、良い材料を使おうとすればするほど医院の利益は減る。

また良い人材を育てようとすると育成費もかかる。

そう良い治療をしようとすればするほど、利益が減り、下手をすると治療項目によっては、赤字診療なんて事も。

 

何もない空間から技工士さんと共に作っていく総入れ歯は、特に厳しい。

今は歯を残す時代なので、抜いた時には顎の骨がやせ細っている事が多い。

それでも一生懸命型をとり、技工士さんに人工の歯を並べもらう。

でも上手くフィットしない事がある。

 

フルオーダーで着物を作ったらいくらするだろう?

セット時に5千円前後、調整費は何回もやると一回につき50円。

10割としても500円。

30分一生懸命調整して500円で採算が合うと思う人がいるだろうか。

 

それに加え、働き方改革が謳われ、賃金上昇、年休消化、時間外手当と経営サイドからすると、

厳しい環境になってきている。

医院サイドとしては、給与を上げているのに、物価の上昇、社保割合の上昇、増税などにより、

スタッフの手取り金額は、増えた感じがしない。

 

そのために経営サイドと働くスタッフの間に、どうしても溝が出来てしまう。

さて、その溝をどう埋めていくべきか。

PL、BSを眺めて、何か良い手がないかな?と思うけど、特効薬はない。

でも改善していかなければ未来はない。

利益 売上利益剰余金 生月 歯医者 スタッフ

 

そんな訳で、歯科医師といえど経営者であれば数字も見ています。

数字見なくちゃ、倒産もありえる時代ですから。

借金を一緒に分かち合いましょう!と言ってくれるスタッフがいれば、利益が上がった時は大きく還元できるのですが、

そんなスタッフはいないです…

 

真面目に歯科医療に取り組もうとすればするほど、医院経営は苦しくなる現状ですが、それでも一緒に前に向いてくれるスタッフには少しずつでも還元して、共に成長出来ればと思います。

 

さて、明日もバリバリ働くぞ!

明日も皆様と共に、良い一日でありますように😊