マスクを外し、笑顔で美味しく食事が出来るように…リハビリ義歯…

とにかく、まずは診て欲しい…

そう以前から通っているAさんから紹介を受けた。

 

同僚のAさんと共に、マスクをしながら目は俯き加減で初めて来院されたBさん。

年齢は僕よりも少し上で、まだ若い。

お口の中を診せてもらうと…

 

そこには、今までの苦労が現れていた。

上は、カタカタした総入れ歯。

下は、どんどん歯が抜けていき、グラグラの歯が数本残っている状態だった。

 

話を聞くと、ほとんど流動食のような状態。

硬い物は、全く食べれていない。

どこの歯科医院でも…

 

精査させて頂き、僕の中では、治療の方向性は決まった。

これだけ崩れていると、治療は簡単ではない。

治療費用も時間もかかる。

症状が出ている歯から少しずつ抜歯しながら、来院の度に、話をしていく事にした。

 

まだお若いので、歯を残したい気持ちは解るが、今回は厳しい。

そして、固定式のインプラントが良いに決まっているが、お口の中全体となると、その費用は、良い車が買えるぐらいになる。

Bさんには、さすがにそこまで歯にかける費用は捻出出来ないとのこと。

 

そこで決まったのが、歯を抜いた直後に入れ歯を入れるリハビリ義歯を作成し、顎のバランス、筋肉を整えた後、最終的な総義歯を作成する2段階のプランを提案した。

もちろん、義歯作製のスペシャリストで2005年BPSの世界チャンピオンである、久留米在住ラボクウォリティーの田中昌弘先生に依頼する形で。

ただ、インプラント治療よりも安くはあるが、それでもBさんにとって安い治療費ではない。

しっかり考えてもらう事にした。

 

そして数週して、お願いしますと治療の了承を得たので、スタートした。

そう、

マスクを外し、笑顔で美味しく食事が出来る

生活をして頂く治療のスタートだ!

 

そして、昨日、その第一段階が終わった。

数週間に渡って準備してきて、いよいよ残っている歯を全て抜き、リハビリ義歯のセットだ。

僕にとっても緊張の時。

田中先生から届いていた義歯を抜歯後すぐに装着した…

リハビリ義歯(入れ歯)抜歯即時義歯

 

 

 

 

 

 

 

この写真は、治療前の状態と抜歯した直後にリハビリ義歯をセットした写真です。

久しぶりに奥歯が噛める状態に。

そして見た目的にも、綺麗なスマイルラインが出る形で。

 

治療前は、口の中に入れていられるかなど気にされていたが、昨日の段階では、それはなかった。

また発音もしっかり聞こえて、まずは第一段階クリアーだ。

ただ、これから、まだ沢山の山がある。

今日から調整を重ねながら、Bさんの心からの笑顔を導けたらと思う。

Bさん、頑張っていきましょう!

 

昨日の午前中は、このBさんの治療。

午後は、左の上下のシビアな位置にインプラントを3本埋入。

それ以外の時間は、一日中、歯科用手術用顕微鏡マイクロスコープを使っての診療。

 

疲れていたのか、夕食後、ソファーの上で爆睡。

パッと目が覚めたのが深夜で、ブログを更新しました。

 

最近は、生月や平戸の方だけではなく、どこからか話を聞いて、佐世保や福岡といった遠方から、まずはセカンドオピニオンでと来院される方が増えてきた。

遠方から来られる方の多くは、お口の状態が、かなり厳しい。

当院でお役に立てることがあればと、受付&TC、歯科衛生士と共に、まずは話を聞き、精査させて頂く。

 

今の体制は、スタッフなしには出来ない。

スタッフ一人一人、個性豊かな歯科医院で、そんな頼りになるスタッフが集まり、僕は幸せな歯科医師だと思う。

そんなチーム医療をお伝えできたらと2011年の夏から始めたNT seminar。

来春vol.12の募集を始めたら、北海道、熊本県、宮崎県、香川県の先生から連絡があり、すぐに満席となった。

西の端の小さな島の歯科医院なのに、本当にありがたい。

 

微力ながら、日本の歯科界に貢献できたらと思う。

これからもスタッフと共に、日々精進を続けていきます!

本日も皆様と共に、良い一日でありますように。