セカンドオピニオン。噛むと痛い。柔らかい食事しか出来ません… その治療、ご自身が受けたいですか?家族にしますか?
昨日、一本の電話が入る。
今年の1月に他院でいれた歯が痛くて噛めないので診て欲しいと。
佐世保方面の方で、平戸の方ではない。
今日の午前中に時間が取れたので、診せて頂く事にした。
まず話を聞くと、昨年から今年の初めにかけて、とある歯科医院に通院されていたらしい。
研修施設にもなっていて、歯科医師が何人もいる大規模な病院だ。
毎回、麻酔も痛いし、治療も痛かった。
言われるがままに全部治療されてしまった。
噛み合わせがおかしいと訴えても、これで大丈夫と言われ、それ以上調整してくれなかった。
噛むと痛いので、ここ最近、おかゆしか食べていない。
もうそこには行きたくないので、こちらで診て欲しい。
診察させて頂くと、ほとんどの歯が見事に治療されている。
それも保険診療ではなく、自費診療なので、かかった治療費はかなり高額だ。
治療前の状態がわからないので、何とも言えない。
しかし、
ここまで治療する必要が本当にあったのだろうか?
自分が、その方だったら、同じ様な治療を選択するのか?
自分の家族に同じ様な治療をするのか?
と治療を行った若い歯科医師には、問いたい。
それ以前に、そのような治療を若い医師にさせる院長の責任は重いと思う。
今回の方、お一人だけなら、時に治療が上手くいかない事もあると思うが、先日、同じ病院から、別の方も来られたので、普段の診療の流れがそうなっているとしか思えない。
同じ歯科医師として、本当に残念で仕方がない。
そう書きながら、僕自身が、歯科医師として優れているとは思っていない。
ただ真摯に何歳になっても学びを続ける良い師匠と呼べる先生方に出会えて、今の僕がある。
歯科医師18年目になるが、今でも結果が出せず、ご迷惑をおかけする方がいる。
そのために、勉強を続け、もっと上手くなりたい、100%の結果を出したいと精進を続けている。
自分がどんなにベストを尽くしても患者さんが噛めないと訴えるなら、それは、やはり治療が上手くいっていないと認めるべきで、どんなに高い被せ物を入れていたとしても自分の責任でやり直しすべきだと僕は考えている。
次回から当院で再治療に入るのだが、僕が臼歯部では使用していないフルジルコニアのブリッジを除去しなくてはならない。
CAD/CAMの技術が進み、ジルコニアが進化しているのはわかるが、僕は治療の再介入が必要な時を考えて、行っていない。
そのため除去するための新しいバーを、すぐにディーラーの担当者の方に注文した。
ジルコニアの除去のしにくさは聞いているので、今から胃がチリチリする。
そして歯科恐怖症のようになられているので、かなり注意を払いながら進めなくてはいけない。
自費治療をして、1年も経たない歯の再治療をするのは、本当に心が痛い。
痛みが出ている部位だけでなく、他の部位も既に再治療が必要な歯があるので、なおさらだ。
週刊誌で、歯科が叩かれても仕方ないと僕は思う。
僕はスタッフと共に、西の端の小さな島で、治療を任せて下さる方にはベストを尽くし、笑顔で美味しく食事が出来る楽しい人生を沢山の方に提供したい。
それを続けることで、少しずつ何かが変わってくるのではと信じて…
本当は、全く違うブログを途中まで書いていたのですが、どこかで読んでくれているかもしれない若い歯科医師の先生に患者さんの声が届けばと書き残す事にした。
歩合給で、自費診療をすればする程、給与が上がるのは解るが、その給与を受け取ったがために、信用や信頼というお金では決して買うことができないものを失っている事に気付いて欲しい…