骨粗鬆症のお薬を飲んでいる高齢者の方に抜歯が必要なとき… 悩みます…
歯が外れて、入れ歯が使えなくなった!
しばらく音信が途絶えていた80代後半の女性Bさんから電話が入りました。
以前、昔の入れ歯が壊れ、全く噛めない状況で来られたので、急ぎで上は総義歯、下は部分義歯を数年前に作成した方です。下には、悪くなったブリッジがそのままになっています。
いずれブジッジは取らきゃいけないと話していたんですが、問題なく使えているとの事なので、そのまま時間が経過しました。
そして、いよいよ、そのブリッジが壊れ、急患で来院。
ブリッジを外して、いつでも追補といって、すぐに修理して噛めるように部分義歯を作成していました。
今回、その事前の準備が役に立ちました。
ブリッジが入っていた部分を修理して、何とか食べれるようにしました。
しかし、問題が…
骨粗鬆症の薬を長年飲んでいる!
骨粗鬆症のお薬ビスフォスフォネート製剤による顎骨壊死というのが報告されているので、簡単に歯が抜けないんです。
今回のBさん、
80代後半で高齢
一人暮らし
という条件も入り、本当に悩みます。
お医者さんに相談して3ヶ月以上、お薬を止めてもらい抜歯という方法もあるのですが、その時、もしも何らかの原因で、骨折などが起こったら… 一人暮らしだし…
そう考えると、休止という選択肢よりも、痛みがないなら、そのまま歯の根っこの部分は残しながら、新しい入れ歯を作成するのが賢明と僕は考えました。
これが正解かどうかは解りませんが、僕なりの責任を取る方法です。
残根部分に痛みが出たら、その際は、佐世保共済病院の口腔外科の先生に相談して、対策を考えたいと思います。
しかし、それも車で1時間近くかかる場所で、公共の機関を乗りついで行くとなると…
難しい問題です。
今後、薬を沢山飲む高齢者が確実に増えてきます。
お一人お一人状況が違うので、それぞれ個々の対応が必要に。
一人暮らしの年配の方の治療は、本当に頭を悩ませます。
それに加え、次々と新しい薬も登場するので。
歯科医師を続ける限り、いつまでも勉強です。
今日は、シビアな右側上顎に3本インプラント埋入をシミュレーション通りに無事終えました。
後は、うまく落ち着いてくれるのを祈るのみです。
Kさん、お疲れ様でした。
さて、最後の患者さんの診療に戻ります!
明日も皆様と共に、良い一日でありますように。