キャンセルに救われる. 親知らずの抜歯にハマる…

親知らずを抜いて欲しい。

そう言われて来院されたAさん。

普段は、家業と家事でお忙しくされているので、できれば大きい病院へ紹介ではなく当院での抜歯希望。

 

最近は予防やマイクロスコープの歯医者と思われがちですが、実は歯科医師になった時、九州大学歯学部第一口腔外科に所属し、親知らず抜歯を得意にしていた(と思う)。

開業してからは、佐世保共済病院に信頼出来る先生達がいるので、紹介させて頂く事が多いのですが、時々は抜かないと腕が鈍るので、症例を選び抜歯させて頂いている。

 

今回のAさんの歯は、根っこの先が下歯槽神経という超重要な神経に接している。

それでいて根っこがレントゲン上モヤっとしていて屈曲している可能性が高いと判断していた。

術前に難しい抜歯と解っていたので、シミュレーションを何度も頭の中で繰り返していた。

 

そして、今日。

伝達麻酔といって、右半分をしっかり痺れさせて手術を始めた。

最小の切開ラインを入れ、トルクが効く5倍速エンジンで大きな歯冠を分割。

予定通りに取れて、次は根っこにGO。

 

通常、根っこがスルッとした形態であれば、へーベルというテコの原理を応用した道具を差し込むとスルッと動いてくるのですが、様子がおかしい。

そう、予想通り、根っこが曲がって噛み込んでいる状況だ。

そんな訳で、ココから戦いがスタート。

 

通常根っこも2分割すれば、出てくるのですが、今回は違う。

2つに割った根っこの1つは出てきたものの、もう1つは、まだ引っかかる。

動いちゃいるのに、出てこない。

 

ココからが長かった。

理由は、残った根っこが下歯槽神経に近いので、下手な事を出来ないからだ。

もしも下歯槽神経を傷つけてしまうと、麻痺が出るからだ。

ちなみに、僕は今まで一度も麻痺を起こさせてた事がない。

かといって、これからもそうかというと、そんな事はないと思うので、常に初心忘れるべからずで慎重に行なっている。

 

今日、救われたのは、ちょうど次の時間にキャンセルが出ていて時間を伸ばす事が出来た。

30分以上悪戦苦闘して、ようやく全て抜き終わりました。

本当に根っこの先の先が噛み込んでいて、それが引っかかっていたので、丁寧に分割して取り出せました。

 

あとは腫れや痛みがあまり出ない事を祈るのみ。

Aさん、お疲れ様でした。

 

大学の口腔外科の外来時代であれば、15時過ぎには、仕事終了!

あとはカルテ書きだ!でしたが、一般開業医は、そうもいきません。

18時まで、しっかり働きました。

それもヘビーな診療が続き、診療終わりにはグッタリでした。

 

しかし、一人暮らしは家事をせねばいけず、切っていたサラダを皿に盛り付け、今日はパスタを作りました。

買っていたハーフワインと一緒に食べました。

美味しかったです😋

 

さて、明日いや本日もお陰様で予約を沢山頂いている充実診療です。

デスクワークをそろそろ切り上げ寝る事にします。

本日も皆様と共に、良い一日でありますように❗️

追伸:

写真は上海にて、漢字で「三得利」と書かれたビールって何?と注文してみたら、サントリービールだったの写真です。

本文とは全く関係がない写真です。

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