親知らずの抜歯にマイクロスコープとCT… 僕の診療にパラダイムシフトが…

長年、自費の予防会員で来てくれていたA君。

先日、就職して時間がようやく取れて、数年ぶりに予約が入った。

虫歯はなかったんですが、右下の親知らずが手前の7番目の歯に悪さしそうな位置だったので、時間があれば抜いた方が良いかも?と話をするとOKとなり、抜歯する事に。

 

前回、パノラマレントゲンという全体を診る大きいレントゲンを撮影していました。

伝達麻酔(でんたつますい)といって、右下全体を痺れるように麻酔した後、小さいレントゲンを撮影すると…

根っこが3つに分かれている!

そして下歯槽管(かしそうかん)にも接近している!

正直、冷や汗がたらり…

大きい病院に紹介すべきだったかもと。

しかし、すでに麻酔をしていたので、ここで止める訳にはいきません。

 

あ!

CT (GENORAY PAPAYA3D PLUS)

を持っている!

と気づきCT撮影を急遽行いました。

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すると、レントゲン上は下歯槽管に接近しているように見えて、上手く舌側に交わしている位置関係にある事がわかり、上手く分割すれば抜けると判断。

予定通り抜歯する事にしました。

 

現在、ほとんどの診療をマイクロスコープ下で行っているので、水埋の抜歯にも応用する事にしました。

僕が師事する秋山先生のテクニックは、8番位置でも診れます。

また、歯根分割時もブラインドではなく、直視で行えたので、僕の中で、

水平埋伏智歯(親知らず)抜歯の方法の
パラダイムシフトが起こりました!

正直、1時間以上かかると思っていた抜歯が、わずか30分足らずで終わりました。

それも、ほとんど切開せずにです。

 

この動画は今後、東北大学歯学部の6年生の講義にも使える!と思ったら…

肝心な根の分割部分の撮影が止まっていました…

ストレートのフィッシャーバーを持ってきてもらうのを待つ時に、アシスタントについていた歯科衛生士のTが丁寧に止めていました…

神様が、次の機会に頑張れ!ということでしょう…

 

一番大切なのは、A君に腫れや痛みが少ない事を祈るのみです。

骨削除もしなかったので、大丈夫かな…

 

明日は、一日家に篭り、依頼されている執筆の時間です。

というか明日やらないと締め切りの来週までに終わりません…

朝から英語文献を読みながら、頑張ります!

 

明日も皆様と共に、良い一日でありますように!