「歯がグラグラして、痛くて、噛めない…」総義歯(入れ歯)で、機能回復が出来る事も…
「歯がグラグラして、痛くて、噛めない!」
Cさんは、突然やって来られた。
お口の中を診せて頂くと、重度の歯周病で、どの歯も残せそうにない。
「ココまで、よく我慢されていましたね。今までも痛い時は、なかったんですか?」
と聞くと、
「介護が大変で、歯医者さんに通う時間が取れなくて…」
と。
超高齢社会を迎える日本。介護の問題は、本当に問題が山積みだ。
Cさんに、今まで使用された事がないのですが、総義歯にさせてもらった方が、慣れると絶対に今よりも美味しく噛めるようになる。
素晴らしい技工士さんにお願いして、フルオーダーメイドで作製して頂くので、費用はかかるが、必ずやって良かったと言ってもらえるように、全力で取り組むから、治療させてもらえないだろうか?
と話をすると、自費での作製の了承を得て、全ての歯を抜歯して、総義歯の治療に入った。
もちろん、久留米でご開業の田中昌弘先生に依頼した。
新義歯をセット後、どんどん噛めるようになると、初診時と見違えるほど、笑顔が出るようになった。
最初は表情が暗く、口数も少なかったのだが、最後は冗談も出るほどに。
「ようやく大きな口で笑えます!」
SNS上に、お顔の写真を掲載する事は出来ないが、最初とは別人?と思えるほど、明るくなられた。
グラグラの歯を我慢して残すよりも、歯を抜いた方が良い事もある。
なんでもかんでも歯を残すのが良い訳ではない。
今までの常識では、グラグラして抜かなきゃいけない歯が、手術用顕微鏡を応用して、今まで見えなかった汚れを見ながら取るという事をすると残せる事もあるのですが、この話は、別の機会に。
歯医者さんに通っていても、なんだか噛めないと悩まれていたら、思い切ってセカンドオピニオンで、別の先生に相談されるのも良いと思う。
長崎の西の端の当院の近くにお住いの方は、いつでもご相談ください。
あ、最後は宣伝でした(笑)
ちなみに、このCさん、もう数年来院してくれてない。
息子さんが時々自費のメインテナンスで来られる際に、お母さんに宜しくと伝えるのだが、困ってないらしい。
田中先生の義歯は、本当に全く問題なく使える人が多いので、本当に凄いとつくづく思う。
そんな素晴らしい仕事をして下さる歯科技工士の離職率が、実は8割に到達したらしい。
そう、国家資格を持った素晴らしい職人の10人に8人が辞めている。
同じように歯科衛生士の離職率も、かなり高く5割を超えている。
日本の歯科界、黄色信号どころか、赤信号なのでは?と西の端で思っている。
気づけば歯科医師を20年やっている。
まだまだ学ぶ事があり、本当に奥深い学問で、歯科医師を辞めるまで学び続ける覚悟がある。
そんな中、今年の4月から僕よりも15歳も若い才能に溢れた川口が一緒に働いてくれている。
彼には、僕の知識、経験を惜しみなく現在伝えている。
川口のような若い歯科医師が、日本の歯科界にある様々な問題を近い将来解決してくれるのでは?と期待している。
僕は開業時から名刺の肩書きに、院長ではなくプロデューサーと入れている。
歯科界を裏から支える存在でありたいと。
秋元康さんが歌ったり踊らないのと同じで、縁の下の力持ちとなり、スポットライトを浴びる人達を応援していきたい。
明日も皆様と共に、良い一日でありますように!